こんにちは、JOSUIの中村です。
新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第3回目です。
「#3未来には予想出来ない範囲が存在する」というテーマで書きました。
前回のエントリーはこちら。
【起業家が生み出す未来】
起業家がウォークマン、カップラーメン、ipodなどを「画期的商品」を生み出しました。起業家は、社内を動かす強力なパワーがある。ステージゲートをぶっ壊して「やれ」と「鶴の一声」で済む場合があります。
【研究開発リーダーの限界】
研究開発リーダーはそうは行きません。理解のない上司、管理職畑出身の社長など、様々な障害を踏まえなければならないからです。
まだ見ぬ将来のことに根拠やデータなどあってないようなものです。想定の上に、更に想定をして、四則演算を駆使してデータを作った経験など、読者の皆さんが全員持っているだろうと思います。しかし、そういう作ったデータには説得力がないことも経験済みだろうと思います。
【私の経験からは・・・】
私には、小粒ではありますが現起業家としての立場と、サラリーマン研究開発リーダーとしての経験の両方があります。
そういう立場から言わせてもらえば、研究開発リーダーには、開発できない未来が存在すると断言します。
合理的に予想できない未来については、開発が出来ないのです。
ウォークマン、カップラーメン、ipodなどの画期的商品は、起業家が「欲しい」と思ったからできたのではないでしょうか?
ラジオが普通だった時に、「将来、ウォークマンが必要になる」と予想出来たはずがない。あれは、盛田昭夫がウォークマンのようなものを欲しいと思ったから出来たのであって、合理的な予想に基づくものではないのだと思います。
これは冗談ですが、「ウォークマンのようなものが必要になるぞ」と当時のソニー社員が思っていたら、カルト教団のように見えたかも知れません。
合理的に予想できない未来への研究開発投資。自分の「欲しい」という一言だけで実行できるのならば、どんなに楽だろうかと思います。大企業にいる人は、その矛盾を感じるのではないでしょうか。
研究開発リーダーには開発出来ない未来があるんだと思います。その限界を知っておくのもいいことだし、そういう限界をエンジニアに感じさせないマネジメントの手法を身に付けることは、今後企業にとって大事になってくるな、と感じます。
次回は、「#4 研究開発リーダーは健全な欲を持つ」というテーマでお送りします。