こんにちは、JOSUIの中村です。
新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第5回目です。
今回は、「#5革新的なアイデアがあるなら起業する」というテーマで書きました。
前回は、健全な欲を持つことの重要性について書きました。前回のエントリーは こちら 。
欲を持っていなければ、夢を見たり、新しいアイデアを考えつくことはありません。「健全な欲」にこそ、夢の内容を良いものにして、儲かるだけの虚しいビジネスは決して考えず、関係者全員がハッピーになるような発想をするパワーがあるのだと思います。
【会社がアイデアを実施するとは限らない】
革新的なアイデアがあっても、実現できなければ意味がありません。
会社の中で、実現しようとすれば、様々な障害を乗り越える苦労が必要になります。障害を乗り越えても実現できるとは限りません。
余談ですが、コダックという会社は、デジタルカメラを世界で最初に開発した会社です。発明したのは、Steven Sasson氏です。
皆さんご承知の通り、コダックは会社としてはうまくいっていません。
フィルムメーカとして世界一だった同社ですが、デジカメ事業には大幅に乗り遅れました。
技術はあったのに、です。
技術はあるのにやらない、あるいは、やれない。
そういう事情はどこの会社にもあるものです。
我々、研究開発リーダーとしては、そういう状況に直面すれば、身の処し方を考えることになることもあります。
【革新的なアイデアほど受け入れられない】
会社では、革新的なアイデアほど、受け入れられないものです。
経験からは、社内ではスマート(ある意味でニヒル)でロジカル(ひねくれた理屈)な人ほど、アイデアを潰します(笑)。
社内でアイデアを出す人は、逆に、自由な発想でポンポン出すけど、生まれたてのアイデアほど根拠には弱い。
「バカじゃないの?」
という雰囲気や言葉が、アイデアを出す人の意気をくじきます。アイデアを出す人が意気消沈してはアイデアなど湧きません。
研究開発リーダーには、「バカじゃないの?」と思われようが言われようが、アイデアを出し続けることが必要な訳ですが、どうしても受け入れられなければ、起業すればいいと思っています。
【起業するのにチャンスが多い時代】
現在は起業するのに非常にいい時代です。
3Dプリンター、クラウドファンディング、3D CAD、WEBでの販売・・・挙げればキリがないくらい、個人起業家がビジネスをするための道具は揃っています。
株式会社の登記も、昔は資本金が1000万円必要でしたが、今は1円で済みます。
私の知り合いでも起業家は多いですし、去年まで大学生をしていた後輩も今年の4月に起業しました。
彼らが成功するかどうかはわかりません。
しかし、成功するかどうかは大きな問題ではないと思っています。
【人間としてどうあるべきか】
革新的なアイデアを実現するかどうかは、人間としてどうあるべきか、の問題だと思っています。
健全な欲を持っている。
健全な欲に基づいて夢を持った。
夢=アイデアがある。
実現できそうな道筋を描いた。
それによって、社会が変えられそうだ。
人々に良い影響が与えられそうだ。
そこまで描ければ、何を躊躇するのでしょうか?
実施するのが「人間として正しい道」ではないでしょうか?
実現するのは、所属している会社で実現してもいいですが、会社に受け入れられなければ起業すればいいではないですか?
【会社のことを相対的にみる】
革新的アイデアがあるなら起業すると決意することで、現在所属している会社を相対的に見ることが出来ます。
会社にいつづけることが前提になると、社会を良くしようと思うことは、二の次、三の次になることがあります。私達は、気づかないうちに、会社の管理下にいるような発想をしてしまいがちです。しかし、そうあるべきだとは思いません。
「社会を良くする」という健全な欲を実現することを、最優先に考える。
その上で、現在所属している会社が最適かどうかを考えるのが順番として正しいのだと思います。
これが私達研究開発リーダーの持つべき発想だと思います。
次回から未来を予想する技術について解説していきたいと思います。
次回は、「#6 未来予想は正しい問いかけの繰り返し」と題してお送りしたいと思います。