こんにちは、JOSUIの中村です。
新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第12回目です。
今回は、「#12ロードマッピング2」というテーマで書きました。
前回は、「#11ロードマッピング」というテーマで書きました。前回のエントリーは こちら 。
メールのバックナンバーは こちら からご覧ください。
前回は、ロードマッピングの概要について解説しました。
今日は、それを受けて、ロードマッピングによってユーザーメリットをどう予想するのかについて書いていきたいと思います。
<ユーザーのメリットは制約条件の裏返し>
すべてのニーズは、不便から生れます。
エジソンは、「必要は発明の母」と喝破しました。
エジソン時代、夜になると暗い、演奏しないと音楽が聞けない、遠くにいる人と話せない、そんな時代でした。
何が言いたいかお分かりでしょう。
電灯、
蓄音機、
電話
すべて、制約条件から生まれてきたのです。
今後も、発明は制約条件から生まれるとすれば、私達研究開発リーダーは、制約条件を知る(予想する)ことが重要になるのではないでしょうか?
<制約条件をどうやって予想するか?>
制約条件を予想するというのは、バックキャスティングでも行うことです。
バックキャスティングは、「このまま資源浪費を続ければ発生する制約は何か?」を予想することから始めました。そうして、必要になるであろうことを予想し、そこから商品やサービスのイメージを予想するというものでした。
つまり、ユーザーのメリットは制約条件から、バックキャスティングによって予想するのです。
<ユーザーメリットをロードマップにどう落とすのか?>
バックキャスティングによって導き出された制約条件、ユーザーメリットは、ロードマップにどのように利用されるべきでしょうか?
制約条件、ユーザーメリットは、社会ロードマップ、商品ロードマップに表現するべきです。
例えば、こういう風になります。
***予想の例***
社会ロードマップ
20XX年には、高齢単身世帯が◯%増加する。
商品ロードマップ
高齢者の一人暮らしが増えると、高齢者の寂しさを紛らわす商品・サービスが必要になる。
技術ロードマップ
20XX年に、自然に会話できる技術が完成し、安価に調達できるようになる。
アクション・プラン(研究テーマ)
自然言語処理をつかって、高齢者と会話のできるエージェントを作ろう。そのため、20XX年の高齢者が好みそうな話のテーマを予想する必要がある。高齢者がどんな話を好むのか、研究しよう。
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上記の例は当然ですが、架空です。架空ですが、上記のような流れで予想することはイメージしていただけると思います。
<ロードマップはバックキャスティングとフォーキャスティングの併用物>
上記の例でお分かりの通り、社会ロードマップ、商品ロードマップは、バックキャスティングの産物です。
技術ロードマップはフォーキャスティングの産物です。それらを合わせて、ロードマップにするのです。
そうすると、将来起こりそうな未来をバックキャスティングで導き出し、その未来に必要な情報をロードマップに書き込むことが出来ます。
そして、それを情報共有し、研究開発の方向性を決めるための意思決定材料にするのです。