こんにちは、JOSUIの中村です。
新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第45回です。
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前回から、ガトーショコラの話をしています。ちょっと長いので、結論は一番下だけをお読みください。
比較してみました
比較対象として、ガトーショコラでGoogle検索すると出てくるOGGI、そして日常よくお世話になるセブン-イレブンのガトーショコラを購入しました。
比較はフェアにしたかったので、OGGIではガトーショコラと、ケンズカフェのガトーショコラに比較的製法が近いと思われるチョコレートケーキを購入しました。
価格の比較
OGGIのチョコレートケーキが1080円、
OGGIのガトーショコラが1080円、
セブン-イレブン180円、
ケンズカフェが3000円
です。いずれも税込み。
重量の比較
OGGIのチョコレートケーキは180g、
OGGIのガトーショコラは小分け包装で8個、
セブン-イレブンは58g、
ケンズカフェは280g
でした。
甘さ(糖度)
糖度計で甘さを比較して見たところ、
OGGIのチョコレートケーキ 67%
OGGIのガトーショコラ 52%
セブン-イレブン 70%
ケンズカフェ 64%
箱のルックス・質感
OGGIのチョコレートケーキ
OGGIのガトーショコラ
一般的なおみやげや、ケーキ屋さんのケーキという感じで、特に高級感は感じられない。
セブン-イレブン 70%
コンビニで購入できる一般的なものです。
ケンズカフェ 64%
茶色の箱で、見ただけで高級品が入っている感じがします。外観だけではお菓子が入っているようには見えません。最初からリボンがかけられています。箱の厚みも相当あり、箱の価格は数百円するのではないかと思います。
食べてみました
最後にガトーショコラを食べてみました。
同じガトーショコラとは言え、こんなに違うものかと思いました。
OGGIのチョコレートケーキ
濃厚です。シナモンが効かせてあり、チョコレートケーキというよりチョコレートです。香りはシナモンが強くてチョコレートの香りは控えめな感じです。
OGGIのガトーショコラ
チョコレートクッキーに近い感じ。サックリとした食感があり、小麦粉が膨らんだものを焼いたんだなあという印象です。ガトーショコラを普段食べない自分には最も身近な感じがしました。クッキーは普段も食べますから。
セブン-イレブンのガトーショコラ
甘い。激甘という印象。スポンジの層、生クリーム・ココアの層、チョコレートクリームの層と複数の層で構成された複雑なお味。180円ならば十分満足できそうです。
ケンズカフェのガトーショコラ
普段、ガトーショコラには縁がありません。そのため、少しづつ、他の物を食べながら比較していきました。そうすると、
一口目には「?」
二口目には「濃厚だなあ」
三口目には「うーん、香りがいいかも」
四口目には「ああ、香りが全く違う」
五口目くらいで「香りがいいわ」
という感想を持つようになりました。
では価格差は?
価格はこうなっています。
ケンズ 3,000円(税込み)
OGGI 1,080円(税込み)
セブン-イレブン 180円(税込み)
顧客価値はなんなのか?
味の差、インターネットでの情報の差、箱の差を総合的に考えると、それぞれ、顧客価値が異なることがわかります。
ケンズのガトーショコラ
ケンズのガトーショコラは「贈り物をして、喜んでほしい」という顧客価値を売っていると思いました。箱は高級、材料最高級、味高級、インターネットでの情報が豊富、すべてにおいて一点最高級です。
OGGI
OGGIのそれは、「普段使いの贈り物」又は「ちょっと美味しいお菓子を食べたいな」という顧客価値だと思いました。箱普通、味普通、材料は?ですが、インターネットでもそれほど目立たない。ただ、ガトーショコラの量的な提供の面では他社を圧倒している。
セブン-イレブン
「チョコ好きな自分のために買う甘いもの」という顧客価値だと思います。これは言わずもがなですね。贈り物でも、特別な自分のためのご褒美でもなく、普段使いの自分のものです。
学べるもの
それぞれ、価格差や味の差、インターネットでの情報の差があることがわかりました。提供する顧客価値に応じて、それぞれの面で最適なものを選択していることがわかります。
事業開発でも同じです。ターゲットごとに、あるいは製品ごとに提供する顧客価値が異なるはずです。それに最適な選択をしていかなければなりません。ポーターが言った、「特別に調整されたバリューチェーン」です。
ご質問等がありましたら遠慮なくメールを下さい。 info@innovest.jp