再生可能エネルギー業界地図の行方

再生可能エネルギーの固定制度買取価格(いわゆるFIT)によって、家庭での負担は月に1000円程度になるというニュースがでました。

固定価格買取制度はバブル誘発の面が指摘されていましたが、今回の試算はその裏付けとなりました。バブルの側面として、実際に、固定制度買取価格発表後に、異業種が発電事業(メガソーラー)に参入した事例は多数あります。

買取価格発表前に、参入を狙う各事業者が試算していたのは、32円~42円で、平均的には35円程度であったと思われます。42円という買取価格は、投資回収期間を8年⇒5,6年にするほどのインパクトがありました。そのため、後発参入者の中には、いわば「儲け話」として参画した企業も多いのではないかと思っています。

そもそも、買取価格は経産省の告示で定められるものですが、年に1回、場合によってはもっと見直されることも予想されます。標準家庭で月1000円というのは、全ての国民が納得が出来る水準とも思えず、そのため見直しが求められるでしょう。

実際に最近ドイツでの買取価格の見直しがなされました。買取価格は1kwhあたり0.195ユーロ。1ユーロ100円とすれば、20円を切っています。為替の影響が±20%あったとしても、買取価格は16円から24円に早晩落ち着いてくることになりそうです。この事は、数年後に買取価格が半額になると予想する根拠の一つになりそうです。

Germans Revise Solar PV Tariffs for 2012 and Set New Degression Schedule.By Paul Gipe
出所 http://www.renewableenergyworld.com/

多くの後発参入者では、メガソーラーのオペレーション技術の蓄積が薄いのが現状です。そのため、今後の買取価格の低下で採算が取れなくなる業者が多くなると予想され、多くの不良資産が発生するでしょう。そのような不良資産を狙って、発電効率を維持・向上させつつ、低コストオペレーションが出来る会社が登場するに違いありません。

ローコストオペレーション技術に強みを有する会社+ファイナンスを提供できる会社 = 不良資産を手に出来る会社と言えそうです。