新規事業で未来を予想する

東芝のテレビ事業はなぜずっと黒字なのかを考えることには新規事業開発に携わるものとして意味があります。

パナソニックやシャープの赤字はマスコミが報道するところなのですが、東芝はある程度の浮き沈みはあれど、概ね黒字基調です。

何故そうなったかを端的に推察してみましょう。

それは、「未来を予想したから」です。

もっと言うと、「予想が当たった」あるいは、「予想に基いて行動した結果、予想が正しかった」ということでしょう。

パナ、シャープは逆の予想に基づく行動をしたので、逆の結果となりました。

どういう予想をしたのでしょうか?

おそらく、バリューチェーンごとの付加価値の予想、部品ごとの付加価値の予想、完成品メーカーの営業力を予想して、自社の販売力から見た採算ラインに関する予想でしょう。

予想の結果、どうだったかというと、

1)東芝の持っていたパネルの技術力が相対的に劣化するであろうという予測、

2)パネルのマザーマシンを作れる会社があってパネルの付加価値が下落するという予測、

3)販売力はサムスン等のメジャーには劣るであろうという予測、

のだと理解しています(3については、予測できたかどうか分かりませんが)。

これらがあって、東芝経営陣は、冷静な判断を下したのではないかと思います。

具体的には、

1)研究開発では、基盤の開発に注力した

2)設備投資の面からはパネルは外から買うこと、海外に工場を作ることを決めた

のだと思います。

予想に基いて行動することにしたい。その際に、自分の実力に過信しないようにしたい。

※上述の文章は、筆者の推論で、正確な検証を経たものではありません。