未来は予想するもの ~未来を造る人になる#2~

こんにちは、JOSUIの中村です。

新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第2回目です。
「#2未来は予想するもの」というテーマで書きました。

【起業家の生み出す未来、研究開発リーダーの生み出す未来】

起業家は自由です。リスクとリターンを自分で背負えるからです。起業家の生み出す未来は壮大で夢も大きい。一方で失敗のリスクも大きい。

しかし、一般的な研究開発リーダーはサラリーマンではないでしょうか。サラリーマンでは、起業家のような壮大なことが言えないのではないか、と思っている読者も多いだろうと思います。確かに、サラリーマンでは、リターンはもちろん、とれるリスクも制限されてしまうような気もします。本当にそうでしょうか?

私は、そうは思いません。むしろ、サラリーマンだからこそ、発想を自由にしたことが考えられるのではないだろうかと思います。リスクやリターンを考えなくても良い立場で、「なんでもあり」の立場で発想することは自由だからです。

実際に、最近の研究開発の現場では、アイデアの段階ではなんでも言える、なんでもできる体制が整っていることがあります。

例えば、富士フイルム先進研究所では、研究者の自由な発想を重視したブルースカイリサーチという制度を導入しています。

http://www.fujifilm.co.jp/rd/structure/laboratory/process.html

そういう意味では、起業家の生み出す未来も、研究開発者の生み出す未来も同じです。我々は、自由な発想を持っていいんだ、と思います。もちろん、制度が整わないと言い難いんですけどね(笑)

余談ですが、金融界では「自己勘定取引」というビジネスがあります。証券会社が自分の会社のリスクで儲けを狙う取引です。証券会社は社会の公器。所属する社員は、自分のボーナスのために、時には会社を傾けるほどのリスクを取って投資する。それで起こったのがリーマン・ショックでした。単純比較できないのは百も承知ですが、彼らが正当化されるのであれば、真面目な研究開発リーダーが萎縮する必要などどこにあるでしょう?

【研究開発リーダーの生み出す未来とは?】

自由な発想で研究開発の方向性を決められれば良い。でも、ステージゲートを進むほど、会社によってはアイデアの段階でも、データや説得力を求められるのではないでしょうか?起業家や創業者なら思いつきで社内を動かせるのとは対照的です。「これがほしい」と思って、「やってみる」。起業家・創業経営者にはこれができる。

一方で、研究開発リーダーに求められるのは、論理性やデータ。つまり、未来を予想することが求められているのです。研究開発マネジメント制度がそうさせます。

そうなると、つまらない表現になってしまうけど、研究開発リーダーが開発できるのは、「予想できる未来の範囲内」になります。

範囲外のものを認めるかどうかは、ゲートキーパー次第ということになってしまいかねない。このゲートキーパーにカリスマがいれば良いんですけど、そうはいかないですね。

次回は、「#3未来には予想できない範囲が存在する」というテーマでお送りします。