こんにちは、JOSUIの中村です。
新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第10回目です。
今回は、「#10アイデア出しのためのバックキャスティング2」というテーマで書きました。
前回は、「#9アイデア出しのためのバックキャスティング」というテーマで書きました。前回のエントリーは こちら 。
メールのバックナンバーは こちら からご覧ください。
前回は、バックキャスティングの進め方や、BtoB企業でも使える方法であることを解説しました。
今日は、それを受けて、バックキャスティングの限界や位置づけについて探っていきたいと思います。
<バックキャスティングは万能ではない>
日本人はバズワードに弱いのですが、バックキャスティングも若干バズワードの側面があります。
バズワードは、期待先行で進んでゆき、あるとき、バブルのように期待が弾けるという側面を持つのですが、バックキャスティングも同じで、期待先行で調べるとすぐに限界を感じることになると思います。
私が考える、バックキャスティングの限界は次のようなものです。
・技術的な進歩を考慮しづらい
・昔に戻ろうという発想になりがち
・制約を受け入れるライフスタイルをポジティブに受け止めて、それで終わりになりがち
上記のようなバックキャスティングの性質に伴う限界を考慮すると、新しい製品やサービスの構想や、研究開発のアイデアにはなりづらいというのが最大の欠点だと思います。
バックキャスティングという言葉を調べれば調べるほど、制約ありきでの発想にたどり着きがちです。そのため、前記のような限界が露呈することになります。
<限界の克服には?>
限界の克服には、一般的なバックキャスティングという手法には、あまり固執しないことです。
制約は制約で置いておいて、自由な発想をすることが前提条件となります。
前回のブログで、東北大学の古川教授が説明する方法を記載しましたが、制約を前向きに捉えること、ポジティブな動機で解決策を考えることが大切です。
ポジティブな動機で昔を見つめなおすことで、前向きな研究開発テーマを発掘することが出来ます。
<バックキャスティングの位置づけ>
何度も書くようですが、バックキャスティングは、アイデア出しの方法の一つと位置づけるのが有用です。
もう一つの利用用途は、ロードマップを描く際のビジョンとして利用することです。
次回は、今日の続きで「#11 研究開発リーダーにとってのロードマップ」と題してお送りしたいと思います。