買わない人の所には行かない 提案力  その①  〜未来を造る人になる〜 #52

「その人買うタイプなの?買わないタイプなの?」

 

「その人買うタイプなの?買わないタイプなの?」

私がかつて所属した会社の上司によく言われた言葉です。

どういう意味かと言えば、「買うタイプの人か、そうでないのか、初回訪問時に見極めろ」という意味です。

買うタイプってどういう人でしょう?逆に買わないタイプとは・・・?

タイプ自体の話はここでは置いておくとして、営業は、買うタイプの人の所に行く必要があるのです。
なぜなら、時間は有限なものだからです。

買わないタイプの人の所に行くと、いつまで経っても買ってくれません。営業としての成果を生み出せないことになります。
経営者の皆様、初回訪問時に相手が買うタイプだったかそうでないかを見極めるように指導していますか?

買う人は決められる人、買わない人は決められない人

 

こんなことがあります。

自家用車を購入する時、普段乗るのは奥様なのに、決めるのは男性。

家を購入する際、ローンを払うのは男性でも、大半を過ごすため実質的には女性が決める。

買う人ってどういう人でしょう?
一言で言えば、決められる人です。もう少し言えば、リスクが取れる人。

買わない人はその反対です。


営業が陥りがちなワナ 買わない人の所にも行ってしまう

買わない人の所には行かないっていうのは勇気のいることです。なぜなら、営業は外回りが仕事で、外で時間を使わなければならないと思われがちだからです。会社の中は居心地が悪いのです。

だから、買わない人の所でもアポが取れれば行ってしまいがちです。

経験から言えば、買わない人は優しい人なので、アポが取りやすいのです(笑)

買わない人の所に行けばどうなるか?

ダブルのマイナス効果があります。

一つのマイナスは成果が上がらないこと。当然です。

もう一つのマイナスは、時間の無駄になって買う人の所にも行けないので、結局機会損失にもなるのです。

これは痛いです。

 

営業が陥りがちなワナ 提案に力をいれない
買わない人の特性がよく分かってきて選別が出来て、買う人の所に行けるようになったとしましょう。

どうしますか?

正解は提案に時間・労力をかけることです。

製品概要、使い方、仕様書、FAQ、営業には提案のツールが揃っていることがほとんどです。

営業の仕事の一つにこれらを組み合わせて提案書をつくることがあります。たしかにコレは重要な仕事です。でも、既存資料の組み合わせ、すぐに終わります。買いそうなお客さんに、資料を持っていけば買ってもらえるかもしれません。

でも、それが営業の仕事でしょうか?

私の答えは、そうではありません。

極端な言い方ですが、資料の組み合わせ提案なら、サルでも出来るでしょう?

もっと気の利いたことをしようというのが私の答えです。

では、何をすればいいのか?

それは「顧客理解」です。
顧客理解とは、親が子を見るように相手を理解すること

 

顧客理解って何でしょうか?

それは、相手のニーズを正確に把握することです。できれば、相手が気づいていない別のニーズにも気づくこと。

私が保険に入った時の経験談です。20代でした。

私の場合、先の見通しをほとんど考えていませんでした(笑)子どもは何人、学校は私立/公立、家は買うか買わないか、抱えるリスクはどの程度なのか、全く考えていなかった。

そこに現れた保険のセールスの方。色々と聞いてくれました。私の年齢、今後の見通しについて様々なこと。何も見通していないことに半ば呆れられ(笑)、後日提案を受けました。私が見通していなかったこと(人生のリスク)をキレイに反映した提案でした。◯◯歳に抱えるリスクはXX円。だから今必要な保険はコレだ。という提案です。

私には目から鱗でした。人生のリスクを全く想定していなかったからです。

即保険に入りました(笑)

私の言う顧客理解って、こういうことです。

お客さんにこうしてくださいと「言われたこと」はして当たり前です。「気づいていないこと」に気づいて上げることが大切なのです。

気づいていないことに気づくには、あらゆる意味で相手を上回っている必要があります。

親が子を見るように俯瞰するのです。